映画「あの日のオルガン」を観て(3/5)

エッセイ

映画「あの日のオルガン」は戦時中の疎開保育園での

保育士の活動が描かれた実話と聞いていた。

保育士(当時は保母)というキーワードに惹かれて

劇場に足を運んだ。

 

横浜ではジャックアンドベティでの上映。

後から知ったのだが、この映画は興行収入が見込めないということで

なかなか映画化にならなかったそうだ。今回、クラウドファンディングで

映画製作することが出来、上映となった。

ジャックアンドベティは、とても小さな映画館で少しマニアックというか

レアな映画を上映することが多い。

以前、ドキュメンタリー映画を観に来た事があったな。

 

その小さな映画館で開演を待つ間に一人の男性が用紙を持って

声をかけて来た。「あの日のオルガンを観にきたのですか?」と。

「はい」と返事をすると

用紙(手紙)を手渡しつつ自分が何者かを説明してくれた。

「私は映画の中に出てくるケンちゃんです。観に来てくれてありがとう」

とその男性は言った。

上映前だったのでケンちゃんが何者かをわからずに手紙を受け取った。

そのケンちゃんは来る人来る人、一人一人に説明しながら手紙を渡した。

上映直前には扉の前で鑑賞席の私たちに向かって大きな声で

「ありがとうございます」

と言った。なんだかテーマパークのアトラクションに乗った気分だった。

ケンちゃんからの手紙

映画を観終わった後に映画の中のケンちゃんとこのような形で会えたことを

嬉しく思った。子どもたちは、みっちゃん先生だけではなく

多くの先生に守られ命を繋ぐ事が出来た。それが生きるということ。

たくさんの悲しみや苦しみもあったことだろう。

でも、ケンちゃんは柔らかい笑顔が素敵な男性になっていた。

映画と共にケンちゃんとの出会いを忘れない。

1日1日を大切に生きていく。

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